2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

三島由紀夫の『鹿鳴館』とマルクス主義フェミニズム

以前、三島由紀夫の『鹿鳴館』について、三島本人の弁とは異なり、アリストファネスの『女の平和』が下敷きにあることを書いた。また、両作品の類似点と相違点及びそれらから見えてくることを書いた。しかし、上野千鶴子らが紹介したマルクス主義フェミニズ…

『PSYCHO-PASS サイコパス』1期の考察 意味するところとは何だったのか

PSYCHO-PASS第1期がSFにおける傑作であることを示したい。そのため、本作の素晴らしさを余すところなく表現したい。以下では、本作に埋め込まれた設定と提出されている問題を一つ一つ紐解いていく。 【洞察に基づく未来予測】 まず本作の良さは、あくまで現…

るろうに剣心『追憶編』の考察 少年兵というモチーフについて

マンガやアニメ等のサブカルチャーにおいて、少年兵というモチーフは頻出である。今回扱う、るろうに剣心以外にすぐ思いつくものをあげても、エヴァ、ガンダム、ぼくらの、最終兵器彼女、マヴラヴシリーズ、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン等々数多くのヒッ…

シュタインズゲート『スカイクラッドの観測者』の解釈について

シュタインズゲートシリーズ及び『スカイクラッドの観測者』は、正統かつ伝統的な形式に則った物語である。すなわち物語とは一般に、人間の意志が運命を乗り越えようとするものである。世界の法則という変えがたい真実に対し、運命を変えようとする意志がそ…

カウボーイビバップ 第15話 『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』の感想について

僕は本話がシリーズの中で一番好きだ。思わず快哉を叫びたくなるような軽やかさがある。それは過去を切断した軽やかさだ。本話は特にビバップの乾いた世界観とユーモアを体現するものとして特筆に値する。何もわからないまま始まり知りたいことは何もわから…