2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

パワポケ考察⑬ 巨大組織の暗躍とプレイヤーを現実へと立ち返らせるリアリズム

パワポケシリーズにおけるある種のリアリズムについて 今度は本シリーズにおけるリアリズムを見てみよう。少しでもプレイしたことのある人間なら、本シリーズが過剰なまでにある種のリアリティにこだわっていることに気づくだろう。このこだわりは、これまで…

パワポケ考察⑫ 野球あるいは恋愛すなわち公私における物語の書き込みについて

8 本論その6:パワポケシリーズを特徴づける5つの要素 パワポケシリーズはギャルゲー要素や過激なバッドエンド、スタッフの悪ノリに焦点を当てて語られることが多い。しかし、それだけでは本シリーズの特徴をつかむことはできない。今回は「野球バラエテ…

パワポケ考察⑪ カタストロフとは何だったのか(後編)

物語発生装置としての具現化 ここで少し回り道をしようと思う。本文中で魔術と総称している超常的な存在のうち、本シリーズで最も重要なものの話をしたい。それは具現化という概念だ。具現化とは人間の強い願いが現実化したものだ。パワポケ7において、この…

パワポケ考察⑩ カタストロフとは何だったのか(前編)

7 本論その5:フィクションあるいは願いが持つ力 ――ままならない現実を抱きしめて 人の心あるいは願いが持っている二面性 前回は坂田博士の述懐を引用し、シナリオライターやプレイヤーである我々が起伏ある物語を望むが故に、パワポケシリーズ正史で報わ…