東方・ボカロ

ボカロ曲『炉心融解』の考察 無機質な歌唱法に込められた切実さ

ボカロ曲の中で、『炉心融解』は特別な曲だと思う。正直言って、僕は良いボカロのリスナーではない。このころのボカロ曲の、特に有名な曲くらいしか知らない。それでも、『炉心融解』だけはボカロ曲になじみのない僕にとっても折に触れて聴き返す大切な曲に…

ボカロ曲『炉心融解』の解釈について 『海と毒薬』を手掛かりにして

以前妻より『炉心融解』の歌詞「エーテル麻酔」は遠藤周作『海と毒薬』より来ているのではないか、という話を聞いた。エーテル麻酔は現代医学ではその引火性が問題となり、使用されない。現代が舞台だと思われる『炉心融解』作中において、何の説明もなく登…

東方アレンジ『Le Cirque de Sept Couleurs』の解釈について

この曲のラストのサビが昔から好きすぎるので、こじつけじみた技巧的な解釈だけれども、一本の筋の通った解釈というか妄想を書こうと思う。 ちなみにこのPVが好き(特にラストのサビ)。 www.youtube.com あらかじめ言っておくと、これから書く解釈は、 【東方…

復讐について 東方アレンジ『GRIMOIRE×ALICE(こなぐすり)』を題材にして

物語の題材としての「復讐」は、それなりにポピュラーなものである。思いつく限り挙げてみて、ハムレット、忠臣蔵、ハンターハンターのクラピカ編、恩讐の彼方に、モンテ・クリスト伯などがあろう。 僕の知る最も優れた復讐をテーマにした物語について書きた…