キメラアント編
はじめに 冨樫作品を理解するにあたって、「人外」の存在は極めて重要である。本文では、人間と同等またはそれ以上の知性と戦闘能力を持った人外の存在を「妖怪」と総称する。したがって、本文では『レベルE』での宇宙人たちや、『HUNTER×HUNTER』におけるキ…
キメラアント編におけるメルエムとコムギの交流について、軍儀の定石に着目して考察を行う。メルエムは当初、定石を乱した力戦に持ち込む指し手に終始した。それが次第に定石をなぞるようになり、新しい定石をコムギとともに生み出すに至る。この変遷は、メ…
前回はメルエムがネテロ・コムギに与えたもの、そして人類すべてに与えようとしたものについて書いた。ネテロとコムギは彼からの贈り物を受け取り、幸福のうちに死んでいったが、人類は彼からの贈り物を拒み、人類の持つ最も暗い部分をもって彼に報いた。 本…
前回は劇的な死を遂げたメルエム・コムギ・ネテロをキメラアント編における物語の幹として解釈を行った。メルエムが中央に位置し、それに向き合うのがコムギとネテロである。コムギは人間の文の極致を代表する者として、ネテロは人間の武の極致を代表する者…
『HUNTER×HUNTER』におけるキメラアント編は現代少年マンガの最高到達点だと思う。しかしながら、キメラアント編を正確に理解し、その素晴らしさを汲みつくした評論・考察は目につかない。本文はキメラアント編とは何だったのか、そしてその素晴…